患者さんとご家族を
支える制度・情報

軟骨無形成症のような希少疾患や難病については、経済面、生活面、就労面などのさまざまな側面で情報が公開され、支援制度が設けられています。ここでは、各種支援制度やインターネット上で探すことのできる情報についてご紹介します。
ご監修:
盛一 享徳 先生
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター研究所 小児慢性特定疾病情報室 室長

経済面を支える制度

さまざまな制度で、医療費※の負担を軽減する仕組みが用意されています。 ※助成される医療費は保険診療に関わる部分のみとなります。

表1. 医療費等に関係する各種制度

  • ※1 定められた要件(「小児慢性特定疾病における軟骨無形成症の対象基準」の次のいずれかに該当)を満たす場合に対象となります。
    ア 治療で補充療法、機能抑制療法、その他の薬物療法を行っている場合。ただし、成長ホルモン治療を行う場合には、第五表の備考に定める基準を満たすものに限る。 イ 外科的治療を行う場合 ウ 脊柱変形に対する治療が必要な場合 エ 治療で呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイ等の処置を必要とするものをいう。)又は酸素療法を行う場合
  • ※2 健康保険証とは別に、医療機関等の窓口で必要になります。
  • ※3 定められた要件(「指定難病における軟骨無形成症の対象基準と重症度分類」の次の全てに該当)を満たす場合に対象となります。
    • 診断基準の「確実(Definite)」に該当すること
    • 脊柱管狭窄症を認め、さらに modified Rankin Scale の評価スケールが3以上に該当すること
  • ※4 自治体によって通院や入院診療における対象年齢や所得制限などの条件が大きく異なります。詳しくはお住まいの自治体窓口にご確認ください。
  • ※5 事前に医療費の支払いが高額になることが分かっている場合には、加入している保険者に対し限度額適用認定証の発行申請をしておくと、窓口負担が軽減されます。詳しくは加入している保険者へお問い合わせください。

表2. 小児慢性特定疾病と指定難病における自己負担上限額(月額・円)1)

  • 難病情報センターホームページ「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」 (https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460)2021年6月3日現在および小児慢性特定疾病情報センターホームページ「医療費助成」(https://www.shouman.jp/assist/)2021年6月3日現在より引用改変
  • ※1 月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある場合、もしくは小児慢性特定疾病重症患者基準に該当する場合
  • ※2月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある場合
  • 1)盛一享徳: モダンメディア. 2020; 66(3): 68–73.

生活や就労面を支える制度

障害者総合支援法

  • 2013年、「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」と名称を変えて改正され、難病等の患者さんもこの法律の支援対象に加わることとなりました。2019年現在で361の疾患が対象となり、軟骨無形成症もそのひとつです。
  • 障害者総合支援法の対象疾病(難病等)に対する、障害者総合支援法による支援対象の認定は、指定難病や小児慢性特定疾病の認定とは別に行われます。このため、認定基準を満たさずに指定難病が不認定となった場合でも、障害福祉サービスを申請する事ができます。
  • 障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)を持っていなくても、必要と認められた範囲で障害福祉サービスなどを利用することができます。
  • 詳しい内容や手続き方法については、お住まいの市区町村の福祉担当窓口にお問い合わせください。

参考ウェブサイト:
厚生労働省「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)」

 

就労支援

近年、いろいろな就労支援制度が整備されてきています。

  • 一部のハローワークでは難病患者就職サポーターが配置され、新規の職業紹介や現在の勤務先に関する相談を受け付けています。
  • 患者さん本人への直接の制度ではありませんが、就職が困難と思われる人々(障害者を持つ人、高齢者、母子家庭の母親など)をある条件で雇用した場合に、事業主が助成金を受けることができる制度があります。新しく難病の人を雇い入れる場合には、特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)では、軟骨無形成症も対象疾患の中に含まれています。難病の方の雇用管理の見直しや柔軟な働き方の工夫を行う場合には、障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)があります。
  • 地域内のハローワークや地域障害者職業センター、事業主、医療機関、保健所などをネットワーク化し、生活支援と職業支援を一体的に支援することを目標として障害者就業・生活支援センター事業制度が設定されました。2019年現在、全国で300ヵ所以上に設置されています。
  • 詳しくは参考ウェブサイトをご覧ください。

参考ウェブサイト:

厚生労働省「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)」

厚生労働省「難病患者の就労支援」

生活と就労の両立

難病の人は外見だけでは病気が分かりにくく、就職後に無理をしたり、職場の理解や配慮が無いまま働くことで、離職せざるを得ない場合があります。職場の理解や配慮を得て、無理なく働ける仕事や働き方を考えましょう。

参考ウェブサイト:

群馬県難病相談支援センター「健康管理と職業生活を両立するためのワークサイト」

 

 

病気や制度に関する情報はこちらをご覧ください。

公的機関・団体

難病情報センター

小児慢性特定疾病情報センター

小児慢性特定疾病情報センター(軟骨無形成症)

厚生労働省 難病対策

厚生労働省 小児慢性特定疾病対策の概要

つくしの会

つくしんぼ

GLORY TO ACHONDROPLASIA(GTA)

認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク